2010年5月20日木曜日

「牛」の起源と由来 牛の災難

現時点で私たち日本人にとって、もっとも気がかりなのは普天間の問題もさることながら、身近なことでは、宮崎県で発生した「口蹄疫」のことであろう。
これは人間には感染しない疫病であるが、牛でも感染はとどまるところを知らない。今では13万頭ほどが処分の対象になっている。
少し前に大騒ぎになったのは、狂牛病というのがあった。これはまだ今でも我々に暗い影を落としている。こちらの方は肉を煮ても焼いても食べた人間は発病する恐れがあるといわれている。
こちらの方は、牛に牛の臓物を食べさせていたのが問題だということであったが、今回は牛の飼料にウイルスが紛れ込んでいたといわれているが、こんなに爆発的に発症する原因は、高密度で飼育する方法に問題があったとの報道もされている。牛もとんだ災難を背負わされたものである。
さてその牛は十二支では「丑」というまったく別の漢字があてがわれている。漢字の発生は「牛」と「丑」ではまったく異なる。

ここでは本来の「牛」について、漢字の起源を探るたびに出たい。

「牛」甲骨文字
「牛」小篆
古い文字の牛は水牛の頭を簡略化した図形である。上部は牛の角で下部は牛の頭である。特徴は牛の角であり耳がその特性を表している。


もしやはり古代文字の「羊」と比較してみると歴然としており、この両種の角が違ったように表現されている。漢字の中で牛のつく字はこの牛及びその動作行為から作られている。

牛のいわゆる字の音であるが、大概は牛の呼吸音から一種の擬声語のような音になっているが、その後「哞」という字が出来「もーもー」という牛の鳴き声に当てられている。



牟(ムー)甲骨文字

牛の字から派生したものに「牟」という字がある。この字の古文字は左の通り。
金文と小篆の牟という字は下部は牛の頭の形、上部は引き上げられた、あるいは湾曲した形を現している。これは牛が泣いているさまの表現である。

「牟(ムー)」小篆

甲骨文字の字形は牛と口の会意文字である。いわゆる牟の本義は牛の鳴き声なのである。東漢の文字学者の許慎は「説文解字」の中で「牟はすなわち牛の鳴き声なのだ」と述べている。尚現代の発音はmou、muと表されている。

後に”哞”(口偏に牟)という文字が作られ、牛の鳴き声はもっぱらこの字で表されるようになった。
”モーモー”結構。

「牛耳を執る」という故事についてはこちらをクリックしてください。

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