2012年3月4日日曜日

氏の原義は血の流れを示す川か氏族の祝宴に使う肉切り包丁か


 さて白川博士は、「氏」の甲骨文字は「取っ手のある小さな刀」の意味であるという。それは『先祖の祭りの後に氏族の共餐の際、この小刀で祭りに用いた肉を切り分ける。この肉切り用のナイフが氏族の象徴であり、氏族共餐に参加するものを「氏」という』ことからこの字になったとの説をとっている。確かに白川博士のナイフは取っ手の部分が湾曲し如何にも飾りのついた象徴的なナイフのような感じがする。
 ここで唐漢氏の論拠となっている甲骨文字の「氏」の上部の原義は「水」であるという点について、もう少し触れてみたい。
甲骨文字の「水」は下記の様になっている。
甲骨文字の「水」唐漢氏のいう文字とは少し異なり、川の流れを示す湾曲した筋の周りに6点が付されている。金文では唐漢氏の云う通り川の流れと4点が付されている。多少の誤謬は良しとするも、金文の氏の文字の上部は川の湾曲とは異なっていて、端の部分で「人為的」な曲がり方をしている。



白川博士は「氏」は先祖の祭りに用いる
肉を切る為の氏族の象徴的な小刀の
象形文字と云われる
この曲がり方から見ると白川博士の云うように、「氏」は肉切り用のナイフから取った象形会意文字ではないかと思われる。白川博士の説も非常に説得力のある説と思う。
唐漢氏の説は、氏と姓と云う連関で考えるとなるほどと思うが、文字の形からだけ見ると少し論理の飛躍がある様にも思う。
 しかしここではいずれの説も退け合うというのではなしに補完し合うように思えるのだが妥協しすぎだろうか。

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