2012年10月26日金曜日

民族主義の原点、中華の「華」の語源と由来

 現在、中国では小学校では、「華夏」という言葉の意味について教育が徹底されているという。この華夏というのは、「中華」の華であり、夏商周の三代の最古の王朝「夏」のことである。中国の子供たちには自分たちが世界最古の文明を維持して持つ、中華民族であり、これまた最古の王朝である夏王朝の末裔であることが徹底されているという。 実際の中身が分からないが、民族教育としても、「社会主義を目指す国」の民族教育としては、少しお粗末ではないだろうか。もう少し、現代的な、世界の中の中華民族を言うことに重きを置くべきと考えるが・・。

 さて、今回この「華」という字に焦点を当てる。この「華夏」ということについては、NHKが今年の10月18日の総合テレビで、中井貴一さんがレポート役とした、番組を組んでいた。中国では「二里頭村」というところで、「夏王朝」の宮殿が発掘され、今まで伝説上の話として伝えられていたものが、実在したことが確実になったと伝えている。
引用 「汉字密码」(P136, 唐汉,学林出版社)


 「華」は植物の有性繁殖器官であり、古代には華と書いていた。
华は「華」の簡体字である。図に示すが如く、甲骨文字の「華」の字は、まるで木の上の花が咲き誇っている様子である。華は象形文字である。金文と小篆は大きく変化しているが、その趣旨は変わっていない。上は花や葉が茂っている状態で、下は茎や幹枝が伸びているようである。
 古代、木の上の開いた華を称して「華」となし、地上の植物の花が開くことを「栄」とした。
 先に華があり、後で花が出来た。花はいつごろ出来たのだろうか。南北朝以前の書の中には見られないが、晋代の詩の中に、「一岁再三花」の句が見られ、花の字は晋朝に出現したと云われている。 「花」という字の出現后も、多くの成語の中に華の字を用いる習慣が残った。
 「花」、「華」は機能が分かれ、「華」は多くは抽象的意味を受け持ち、華彩、華麗の様に使われている、又
「華夏、華裔」など、中華民族の仮借を指している。一方、開花の華は即ち「花」と書く。
 花の字は草かんむりと化けると書く。これは会意形声字である。化けの字は甲骨文字中では一人が正立、一人は倒立した二人の人間を表現し、人の生と死の変化を示す。花は開いて落ちる、盛んなること敗れることがある。 花は化けるの音符を用い音と意味を表す。
 

2012年10月8日月曜日

漢字:「者」の起源と由来


前回「都」という文字について考えた。今回はその部首である「者」について考察する。
引用 「汉字密码」(P780, 唐汉,学林出版社)

漢字:「者」の金文から楷書への変遷
「者」は漆塗りのための容器を表す。

者は一個の会意文字である。上部は泰の字で、下部は口であり、容器を表している。

 者は一個の会意文字である。上部は泰の字で、下部は口であり、容器を表している。両形の会意で、漆塗りのための器を示している。金文の別の書き方の「者」の字の上部は、形は変化している。小篆の「者」の字は、後で書くようになった金文の左右の斜めの画が連写されるようになっている。まん中の直線の下部の口は一緒に続けて書かれる。隷書化への変化でついに楷書の「者」になった。「者」の字の形体の変化の軌跡は明瞭である。

「者」は漆塗りに用いる器物で、本義は「付着」である。

 「者」は漆塗りに用いる器物で、本義は「付着」である。即ち「著」の最初の文字である。自然界には付着したものが他の者の物的現象の普遍的存在を表すことがある。「日月星辰」が天を表し、山水草木が地を表す様なものである。上古先民は労働実践から、通さない付着力の最強のものは漆であることを発見した。 この為漆を用いた什器は付着と同じ概念である。

「者」は説文では、代名詞である。

 「者」は説文では「者」と別のものに解釈している。曰く「者」は代名詞である。古文中「者」の主要な用法は動詞、形容詞の詞・句の後面におかれ、人、事物、時間、所、原因等等を重ねて述べる必要の時に代わって表すのに用いられ、単独では用いない。

者の字は部首にもなり、漢字の中で、全て付着に関係している

 者の字は部首にもなり、漢字の中で、全て「者」の音を持ち、全て付着に関係している。「猪、署、奢、著、著」 等がそれである。